AARP(全米退職者協会)とは?

AARPは以前の正式名称は「American Association of Retired Person」(全米退職者協会)と言い、会員3千6百万人を有し、50歳以上の人なら誰でも会員になることができる無党派の全米最大の「非営利団体」である。
「以前の正式名称」とは、「American Association of Retired Person」は使わず「AARP」が正式名称になったからである。その理由は、「AARP」というブランド名が確立したこと、50歳以上の人を対象とすること、AARPの活動において有名な「定年制撤廃」を達成したこと等があるようだ。
AARPは何と言っても、その莫大な会員数(現在約3,600万人)と、それを背景にした連邦政府、地方政府へのロビーイング活動がアメリカ国内のみならず、世界中で有名なことである。
AARPは「社会福祉と商業主義とが混在した稀有な団体」といわれている。各種保険や旅行商品に関する全米最大の販売者としての顔もあれば、ワシントンで最も恐れているロビー団体としての顔もある。
そのAARPが、2003年春から大きな方針変更を行った。AARP発足の48年前から発行してきた機関誌「モダン・マチュリティ」と、50歳代を対象に発行してきた雑誌「マイ・ジェネレーション」とを統合し、「AARP ザ・マガジン」としてリニューアルしたのだ。

この方針変更が、コストダウンとともに急速に増えている「ベビー・ブーマー・シフト」であることは明らかだ。その理由は、AARPイコール「高齢者向け団体」のイメージが強く、戦後生まれのベビーブーマーが、会員資格の50歳を過ぎても、加入しない例が急増しているからである。
AARP自らの調査でも、50歳台の人の80%が「Retired」という言葉を嫌っていることが明らかになっている。この結果を受けて、3年前には、もともとの組織名称「American Association of Retired Persons 」(全米退職者協会)の略語としての「AARP」を正式な組織名称にした。
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